10/25 Day 2 Report - Ideation -

KAHD2日目はシビックセンターでスタート。Day2はアイディエーションからチーム決定、プロトタイプに向けたアイデアのブラッシュアップまでを一気に行います。ディレクターの林と青木氏が前日の視察でのインプットを振り返り、今回のハッカソンがアート作品を生み出すという目的であることを改めて強調し、茨城県北の歴史や文化や自然を踏まえた上で、新しい価値や視点を見出し、いかに表現するかという、アートに求められる役割と期待が述べられました。

アイデアの発散

Day1に得たインスピレーションや、浮かんだアイデアを言語化・ビジュアル化することを目的にしたアイディエーションセッションがスタートしました。まずは、大きな紙と筆記用具、付箋などが準備されたテーブルにそれぞれ5人ずつが座り、自分のアイデアを紙に書き出していきます。
後半は、テーブルを移動しながら様々な人とディスカッションをしながら、自分のアイデアを誰かのアイデアと組み合わせたり、他の人のアイデアに自分のスキルを生かす方法を模索したり、、ハッカソンの特徴である共創への萌芽も見えていきます。

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各テーブルで活発な議論が起こる中、あっという間に2時間が経過。ここで、希望者による参加者全員へのアイデアのプレゼンテーションが行われ、全部で37案が発表されました。

チームビルディング

午後からは、ランチを取りながら廊下のボードに貼りだされた各アイデアを吟味し、自分が参加したいと思うアイデアに付箋を張っていきます。最終的に残った13のアイデアで各3~7人のチーム編成ができました。日鉱記念館で見た大煙突や岡倉天心の六角堂といった建造物を直接モチーフにしたものや、人の営みと自然の拮抗をテーマにしたもの、県北の豊かな食に着目して地元住民との協働を目指したもの、バイオテクノロジーを取り入れたものなど、いずれも魅力的なアイデアで、昨夜の江渡さんのプレゼンテーションにあった「共創プラットフォーム」としてのハッカソンの可能性を改めて実感しました。

決定したチームごとにテーブルに分かれた後、スポンサーセッションで協賛いただいた企業の担当者から、それぞれのプロダクトやテクノロジー、素材などの説明がされ、参加者は作品を形にしていく中で取り入れられるものはないかをインプットします。

アイデアブラッシュアップ

帰りのバスが出発するまでの残り時間、タイムリミットのギリギリまでチーム内でのアイデアブラッシュアップとプロトタイプに向けた準備が行われました。Facebookでチームのグループを作り、今後のスケジュールの調整や、メンバーの役割分担を決め、制作に向けての具体的なプロセスを確認します。

同時に、リサーチやリソースは足りているのか、アートとしてのクオリティや強度はあるかなど、プロトタイプでの着地点も探っていきます。具体的な作品の完成イメージが既に固まっていて着々と作業を進めていくチームもあれば、コンセンサスを得たアイデアを起点に効果的な表現を模索している段階のチームまで、チームによって違いはありますが、共通しているのは、全員が朝から集中力を持続したまま真剣に話し合っていること。まだ会ってから2日に満たないにも関わらず、共通の目標に向かってこのような濃密なコミュニケーションが成立するのは、ハッカソンならではの醍醐味といえるでしょう。

熱気が冷めやらぬまま16時になり、林と青木氏による総括セッションが行われ、2日間にわたる茨城でのアイディエーションセッションはクローズしました。地元から参加の茨城組はここで解散し、残りはバスに乗り込んで東京へ帰ります。そして、これから2週間、それぞれのチーム内でさらなるブラッシュアップや試行錯誤が繰り返され、11月7日~8日のプロトタイピングに備えます。

Yuki Takai

1986年生まれ 茨城県出身


デザインファームでクリエイティブディレクター/プロジェクトマネージャーを務め、webディレクションをはじめ新規事業創出支援やアートプロジェクトなど幅広いプロジェクトに携わる。

直観力と論理思考の掛け合わせでゴールへの道筋を描くプロジェクトデザインと、デザインリサーチからのコンセプト策定、タッチポイントに合わせた情報設計とドラフトデザインを得意とする。

原動力は反骨心。アートコレクター。